真夜中のアリス
ウサギが女王に献上したのは彼女の嗜好を熟知し贈られた、薔薇を主とした髪飾り。
紅の髪に映えるようにと、女王の為だけに創られたそれはよく似合っていた。
「相変わらず薔薇が似合うね!可愛いよ」
その言葉を聞くと「当たり前です!」と小さく呟き、そして頬も薔薇色に染まってゆく。
そして女王は気付かれないように、静かに小さく微笑んだ。
「じゃあ、そろそろ僕はお暇させて頂くよ」
微笑ましくそれを見届けたウサギは腰を浮かし広間を去る為に扉へ近付く。
「何を言っているのですかウサギさん!今来たばっかりなのに、なんで帰ろうとしてるんですか!」