真夜中のアリス
女王は驚きを隠さずに襟を掴み、前進を阻む。その拍子にウサギは宙に浮き空を蹴るようにジタバタ暴れる。
「届け物は済んだでしょ?僕には大切な予定があるから離してくれると嬉しいんだけど」
「何を言いますか。わたし以上に大切な予定なんて存在しません。それに今日はもう外に出ない方がいいんで離しません!」
女王の高飛車が室内を支配する。それに頑なにウサギの襟元を離さなそうとしない女王との勝敗の見えている勝負。折れるのは、最終的に何時もウサギ。
けれど今日ばかりは折れるわけにはいられないのだった。
「…まさか。今日は“闇夜の日"だとか言わないよね?」