真夜中のアリス

何時もであれば出入りなど指示される事などない。幾許か、様子のおかしい女王に何かに勘付いたかのように、ウサギは震えそうになる声を抑えながら冷静にそれを問いかける。

「みたいですよ、エースさんが言うには」

その言葉を聞き終わるや否や、ウサギは先程と比べ物にならないくらいの強い力で女王に抵抗し、その場から去ろうと躍起になる。

「…ちょっ、ウサギさん!?どうしたのですか!」

冷静沈着でいて、穏やかで事を荒げる事など見たことのないウサギが尋常ではないその態度に、女王はただただ驚き傍観していたエースでさえも一緒になって慌て取り押さえる。

「は、な、…してっ!アリスが…、僕のアリスが僕が来るのを待ってるんだ!」
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