真夜中のアリス

「「え…!?」」

「僕が…ううん、彼が傍にいないと彼女はひとりでずっと泣き続けてしまうから。だから…迎えに行かなくちゃ!」

一瞬の隙をついて、ウサギは女王の取り押さえる手から逃れて唯一の出入口である扉を目指し抉じ開けようとする。

「えっ…!?開かない!むぎぃぃい!!!」

しかし、女王の命により誰一人として立ち入る事が出来ぬように、扉は頑丈にそして固く閉ざされていた。

「ウサ…ううん。…さん。やっと見つけられたんですね、あなたの“アリス"を」

ウサギの目線に合わせるようにしゃがみ込み先程と打って変わって優しく説くように、女王は語る。

「…ごめんなさい、あのルートから来たみたい…」

「…あらら。まあ、それは良しとして追々話しましょう」
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