真夜中のアリス
部屋から見える空の色はどんより黒よりも濃い、漆黒よりも更に重い黒色に変化を遂げていた。
一瞬の隙をついて、物思いにふけるウサギを背後から抱き上げるエース。これでいよいよ身動きひとつでさえ取れない。
「ちょっとエースくん!?何をするのさ、離してよ!離してってば!アリスが、僕のアリスが待ってるんだから!」
女王の命により、ドアには厳重なる錠が施されているために、ウサギの力では到底扉を開き外に出るのは至極難解な事であった。
それでも、と悪戦苦闘を繰り広げるウサギを見かねて、女王はエースに耳打ちしてそっとウサギの身体の自由を奪う事を指示したのだった。
「あっ、暴れないでウサギさん!きっと大丈夫だから!ね?」