真夜中のアリス
エースは彼なりに励まそうと彼に出来る最高の笑顔をウサギに向ける。しかしそれはどう見ても頼りない笑みを浮かべ、少しでもウサギの不安材料を取り除こうと努力を見せるものの、それも無駄に終わりそうだ。
「きっと今もアリスは僕の帰りを待ってるに違いないんだ。女王さま、お願いだからここから出して!」
ウサギの強い懇願にも最後まで女王は首を縦に振ることはなく、視線を逸らし淡々と言葉を紡ぐ。
「ウサギさん、それは出来ません。見てください。窓の外を」
女王が指差すその先はまるでブロック体のように四角形の箱の形に変わる建物が下から、さらさらと顆粒のように薄れ消えていく。
音も無くただ静かに消えて形を無くし、何もかも変わっていく街の姿、そして覆われる闇。