真夜中のアリス
油断をしていたらしいエースが思わず力を抜いた瞬間を狙って、ウサギはそこから抜け出して勢いよく扉へ向かう。
「ちょっとお待ちなさい!ウサギさん!あなたがいま駆け付けたところで、アリスはもう此処にはいないんですよ!」
「そうだとしても、僕は行かなきゃいけないんだ!」
女王の怒声とウサギの頑なな意思。噛み合わない二人の応酬が粛々と続いていく。
「ここはわたしがいいって言わない限り、開かない仕組みになってる事をご存知ですよね!」
「解ってるよ!でも約束したんだ、必ず戻ってくるって!だから行かなくちゃいけないんだ、僕が約束を破るわけにはいかない!」