真夜中のアリス
噛み砕くように一字一字、丁寧に説明を行う女王。ウサギは頭を垂れたまま黙っそれを聞いていた。
「アリスは闇が魅せた幻想を追ってしまったんです。追いかけたところで近付けるわけではない事に気付かずに。」
項垂れたままのウサギを見て女王の目頭は下がり始める。女王とて、複雑な心境に陥っていた。ずっと傍で見てきた大切な存在のウサギが、想いを馳せ恋い焦がれていた大切なアリスがまた手の届かないような場所へ遠くへ行ってしまい、現実を受け止めきれず悲しむ事実に。
「女王さま、僕はどうすればよかったのかな。
僕はアリスはそう簡単に幻想に惑わされないと信じていた。だからこそ、約束をしたんだ」