真夜中のアリス

「彼女のせいではありません。アリスは疾うに魅入られていたんですよ、あなたや彼が去ってしまった日からずっと」

そっと窓の眺める。変わらずどんよりとした黒い雲が城を覆って、滂沱の涙のような雨が降り続く。瑠衣がここから離れた事で、街は組み代わり姿を失い自然が多い耕地へと変貌していた。

「あーあ…。元に戻っちゃいましたねー。今回の街は割りと便利そうで面白そうだったから下りてみたかったのに」

至極残念そうに女王は呟く。そんな言葉でさえ、ウサギの耳には入らない。
茫然自失するウサギを見て、女王はある事を提案する。

「…ウサギさん、心配しなくていいですよ。
アリスはわたしが探して連れてきてあげますから」
< 151 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop