真夜中のアリス
そんな事を口にしていると、漸く、目的の場所の扉の前に辿り着いたようだ。
やたらゴツゴツとした物体が所々に散らばっていて、何をモチーフにしているのかがわからない彫刻が僕らを見下ろすように下を向いている。天使の像か何かだろうか。
「なんか…重々しい重厚な扉だね。女王さまの趣味と全くの真逆じゃないの?」
「まあ、ここはただの薔薇園じゃありませんからね」
それだけを口にすると、予め持っていた何錠も連なった鍵を腰から手繰りよせ、一つ一つ鍵を鍵穴へと当て嵌めてゆく。
そして、ぎぃと大きな音をたてながら重々しい扉は開かれた。瞳に飛び込んできたのは数え切れないくらいの色とりどりの薔薇たち。