真夜中のアリス

陽さえ入らない地下に咲く薔薇の為に造られた人工の太陽と暖かな風が穏やかな気候を造り上げていた。
そこに蝶や鳥などが優雅に舞い踊るように飛び交えば花畑だと錯覚してしまうほど、ここはよく忠実に造られていた。

「エースくん…、ここ…凄いね…」

「女王さまがここを造るのに拘りぬいて、力を注ぎ込みましたからね」

慣れているようで、迷いなく前に進んでいくエースくんの後に続き、僕は周りの薔薇たちを見回していた。

「綺麗…。こんな素敵な場所を何故女王さまは秘密裏に?」

「今にわかりますよ。あ、ウサギさん、目の前にある揺りかごに座ってもらえます?」
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