真夜中のアリス

ゆらゆら ゆらゆら

揺れる揺りかご。暖かな風。
鼻腔を突き抜ける薔薇の薫り。

まるで母の腕に抱かれているような、大それた事で例えてみると胎内の中にいるようなそんな温もりを全身で感じとりながら僕はただ、ただ深い眠りに落ちようとしていた。
指一本さえ動かす事を酷く嫌悪していた事も関係しているだろう。ただ、本能が命じるままに眠ってしまいたかった。

一瞬、ぱぁと眩しいオレンジの光が僕の世界を照らし、とてもじゃないけれど目を開けていられずに固く瞼を閉じた。
同時に聞こえてきた、あの懐かしい声。
優しくて楽しくて、居心地がよかったあの場所から。

「***ー!!***!こっちおいでーっ!!」
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