真夜中のアリス
思えば、いつもそんなことを君は口癖のようにずっと語りかけていたね。
ずっと忘れていた、アリスとの日々を今ゆっくりと思いだした。
「それでね!**はアリスなの!だからね、**と***がおいかけっこするんだよ!
その途中で大っきくなったり小ちゃくなったり、変な帽子屋さんとお茶飲んだりね、意地悪な女王さまのところに行ったりしながら***を**がいっぱい追いかけるの!」
そういえば君は誕生日に贈ってもらった、あの絵本が大好きだったね。まだ幼かったから、君は字は読めなくてでも色とりどりの挿し絵に夢中で。
だから毎晩のように君が本を持ってせがむから、君のママは「本当に飽きないわね」なんて笑いながら読んで聞かせてくれていたっけな。
僕も君の傍にいて一緒に聞いていたから、そのお話は今も覚えているよ。
忘れられそうにもない。