真夜中のアリス
あの夢に出てきた女性は少女の母親だ。何故か直感でそう悟る。少女はお母さんの言葉でも納得出来ずまた”あの子”に会えると信じて当ても無くただ、ただ探し求める。
あの子の為なら、また会えるならばお気に入りのこのスカートが泥だらけになっても、この憧れの彼女ような可愛い靴が傷だらけになってもちっとも構いはしなかった。だからこそ、当ても無くただ探し続ける。
「(…けれど少女は本当は理解っていた。
ママは濁した言い方をしていたけれど、あの子が居なくなった本当の理由を。
ただそれを認めてしまえば、本当にもう会えない。悲しみをずっと背負わなければならない。
だから少女は現実から目を逸らすように、あの子との大切な思い出を箱に詰め鍵をかけた。忘れてしまえば、思い出さなければこんな想いなんてするはずがないから…)」