真夜中のアリス
ふと瞳を閉じて、思い返す。あの頃の日々を。
ずっと頭痛が鳴り止まずに見えなかった向こう側を今なら見える気がしたからだ。
でもやはり脳裏に浮かんでくるのは、あの暖かな笑顔と金木犀の香り。
けれど何かが違う。思い出さなければならないのはこれだけじゃない。
「「ねえ、アリス!黙ってないで君も話してごらんよ!」」
業を煮やしたのはやはり双子の方で、今度はスイレンまで怒り気味だ。けれど彼らは散々あたしの言葉を遮っていたのに今度は請求ときた。
「あ、ごめんごめん…」
その勢いに圧倒されながら、謝罪を述べるけれどどこか腑に落ちない。げんなりとしたと云わんばかりの表情を浮かべる。