真夜中のアリス

双子は一斉に首を傾げて頭上にははてなマークを浮かべている。別に難しい事を言ったわけではないのに…。そんな様子にクスりと笑いがこみあげてきた。

芋虫さんが言っていたあの言葉、''忘れたくて忘れた振りをして忘れたのに、忘れたことを忘れてそれをまた思い出そうとしている矛盾”
片鱗が見えたような気がした。あたしは忘れちゃいけないことを忘れてしまっていたようだ。
全部自分の為に。頑なに忘れようとしていた大切な事。はっきりと思い出したわけじゃないし痛みがなくなったわけではないけれど。

「(全部ちゃんと思い出さなきゃ、今もずっと朱鳥くんの事好きって言えないし、もう一度あの黒いウサギにも会えない)」
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