真夜中のアリス

「それに物事をその通りにしか見えないなんて、何も考えないどころか意見さえも持たない愚者に匹敵するとわたしは思いますけどね。」

美しい竪琴の調べを背後にズバズバと辛辣な言葉が舞うメルヘンチックな森の中。
可愛い甘さの裏側には毒が隠されている。
そんなこの世界をレジーナの言葉によってあたしに知らしめているように思えた。

「…どうもすみませんね、凝り固まった固定観念の人種で」

少し不貞腐れたように皮肉を吐くと、それに気付かないのかはたまた気付いた上での素通りなのか(きっと後者なのだろうけれど)、溜め息まじりにレジーナはあたしに視線を合わせないで発する。
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