きみのためのプレゼント
「藤野さん、行ってからの後悔ならいくらでも、聞いてあげる。だから行かない後悔をするなら行った後悔をしてほしい。俺は、あいつをどうしても救えなかったって納得したけれど、やっぱり花火大会や野球、カラオケ、もっといろいろ行きたかったからさ」


涙も落ち着いた藤本くんは、抱きしめていた私の両肩に手を置いて、体を離した。彼はこれが言いたかったんだ。


行ってからの後悔より、行かなかったときの後悔のほうが辛いことを知っているから。



「うん。私も今の話を聞いて、行くことに決めたよ。だから、藤本くん一緒に明日、ハルの応援についてきてくれる?」


「もちろん。言われなくてもそのつもりだったよ。最近の藤野さん、俺よりも岡部さんばかり優先するし、岡部さんの話ばかりだから正直少し・・・妬いてたから」


「妬いてた?」


「だから!岡部さんばかりになんでも頼むから、俺の出番がないし、俺のほうが藤野さんの足のことも含め、分かってるのに岡部さんのほうが知ってるみたいなのが、嫌だったんだよ」


そう言う藤本くんは、心なしか顔が赤い気がする。ジーッと彼の顔を見ていたら、そっぽを向かれてしまった。それでも、目を離さないでいると、余計に顔を背けられてしまった。
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