腹黒エリートが甘くてズルいんです
あたしも、やめたくないと思ってしまうような。でも、その、心底困ったような言い方がかわいくて、結局笑ってしまう。
「なんだよー!! こっちは真剣なんだからな! 笑ってんじゃねーぞ!」
そのうちに、酒井くんもつられて笑い出して。
酒井くんがあたしの横にごろり、と寝転がって二人で仰向けに並ぶ。
「何やってたんだろうね、あたし達、今まで」
「なー。すれ違うにもほどがあるだろ。あとついでにごめんな、あれ。ビアガの帰り道、乙女の唇奪っちゃって」
ついでに、ってなによと思いつつ。
「……確かにね。あ、違うよ、今のは『すれ違うにもほどがある』の返事よ?」
35歳になろうかという人達が、ビジネスホテルの一室で寝っ転がってしょうもない言い合いをしているなんて、なんだかシュール。
そのうちに、お腹がすいたということになり、二人で出る準備をする。
何を食べたいかじゃんけんで勝った方に権利があると言われ、どうやらこのあとご飯を一緒に食べられるらしい、というだけで、心が踊るくらい嬉しい。
大事な話がまだしっかり終わっていないような気がするけれど、とりあえず目が合うと酒井くんも嬉しそうに笑うので、まぁいいか、と思う。
「なんだよー!! こっちは真剣なんだからな! 笑ってんじゃねーぞ!」
そのうちに、酒井くんもつられて笑い出して。
酒井くんがあたしの横にごろり、と寝転がって二人で仰向けに並ぶ。
「何やってたんだろうね、あたし達、今まで」
「なー。すれ違うにもほどがあるだろ。あとついでにごめんな、あれ。ビアガの帰り道、乙女の唇奪っちゃって」
ついでに、ってなによと思いつつ。
「……確かにね。あ、違うよ、今のは『すれ違うにもほどがある』の返事よ?」
35歳になろうかという人達が、ビジネスホテルの一室で寝っ転がってしょうもない言い合いをしているなんて、なんだかシュール。
そのうちに、お腹がすいたということになり、二人で出る準備をする。
何を食べたいかじゃんけんで勝った方に権利があると言われ、どうやらこのあとご飯を一緒に食べられるらしい、というだけで、心が踊るくらい嬉しい。
大事な話がまだしっかり終わっていないような気がするけれど、とりあえず目が合うと酒井くんも嬉しそうに笑うので、まぁいいか、と思う。