猫の湯~きみと離れていなければ~
わたしの軽い考えのせいで、猫ちゃんは苦しみながら殺されてしまった。
どんなに怖かったか想像すらできなかった。
わたしはわたしを恨んだの。
猫ちゃんになんと言っていいかもわからなかった。
謝ることもできなかったの。
猫ちゃんに謝るということは『自分を許してほしい』って頼むことだと思っていたから。
命を奪ってしまったのにそんな都合のいいことなんて許されるはずがないでしょう?
「これが猫嫌いになった理由だ」
宮と倫は黙ったままわたしを見ている。
わたしは流れる涙もふけずにうんとうなずいた。
「子猫が死んだことを受け入れるには、子供の心では重すぎた。そしてそれ以上傷つくのを恐れたお前は、猫が嫌いだとすり替えてしまったんだろうな。くだらんことを」
「わたしはずるいよね。結局は目をそらして逃げちゃってるから」
子猫のときもそう。
陽向のことだって、いつもわたしは逃げてばかり。