猫の湯~きみと離れていなければ~
「莉子さぁ、仕事で学校休みがちだったのに、高校に受かるとかすげーよな。いつ勉強してたんだろーな? 」
バカ陽向、そんなことも分からないの?
好きな人と同じ学校に行きたいって気持ちは当然じゃない。
莉子はすごくすごく努力したんだと思う。
陽向は莉子の姿が見えなくなるまで見送ると、莉子が座っていたイスに腰掛けてトレーの上をわけはじめた。
陽向の前にはハンバーガーとポテトとジュース。
わたしの前にはハンバーガーとシェイク。
「ほい、プレゼント。食べきれなかったら俺が食うから無理すんなよ」
差し出されたシェイクをわたしは両手で受け取った。
「うん、ごめんね」
わたしが大好きなバニラ味。
陽向の気配りとシェイクのひんやりと冷たい感触に、ほんの少しだけ気持ちが穏やかになる。