猫の湯~きみと離れていなければ~

わたしはスマホを取り出すと、アルバムを開けて中学の時の写真を何枚か陽向に見せた。


「あー、ほらコイツっ! いっつも鈴の側で映ってるんだよ」


陽向が指差したのは、爽やかに笑っているバスケットボール部の晃斗(らいと)くんだった。

さっきの陽向の言い方だと、ツーショットで映っているような感じだったのに。


「晃斗くんかっこいいでしょ? 性格もいいし仲良かったんだよ」

「ぜってー、俺の方がかっこいいけどな 」


陽向はつまらなそうにハンバーガーの残りにかぶりついた。


確かに陽向もかっこいい。

でも教えてあげたのに、この面倒くさい会話はなに?


変なところに負けず嫌いを出してきた陽向を“可愛い”と思ってしまったけど、言ったらいじけてしまいそうだから黙っておくことにしてみた。

< 77 / 328 >

この作品をシェア

pagetop