猫の湯~きみと離れていなければ~
わたしはスマホを取り出すと、アルバムを開けて中学の時の写真を何枚か陽向に見せた。
「あー、ほらコイツっ! いっつも鈴の側で映ってるんだよ」
陽向が指差したのは、爽やかに笑っているバスケットボール部の晃斗(らいと)くんだった。
さっきの陽向の言い方だと、ツーショットで映っているような感じだったのに。
「晃斗くんかっこいいでしょ? 性格もいいし仲良かったんだよ」
「ぜってー、俺の方がかっこいいけどな 」
陽向はつまらなそうにハンバーガーの残りにかぶりついた。
確かに陽向もかっこいい。
でも教えてあげたのに、この面倒くさい会話はなに?
変なところに負けず嫌いを出してきた陽向を“可愛い”と思ってしまったけど、言ったらいじけてしまいそうだから黙っておくことにしてみた。