派遣社員の秘め事 ~秘めるつもりはないんですが~
「突然の土下座はなんだ?」
部屋に来た渚は、仲間さんに勧められたという新作スイーツを手にしていた。
彼がそれをテーブルに置くのを待って、蓮はラグに手をつき、額もついた。
「結婚初夜のあれか。
三つ指ついて、よろしくお願いしますっていう」
なんでそうなるんですか、と顔を上げ、蓮は言った。
「すみません。
この間から、誰かにつれられてる感じがしてたんですが。
どうも、和博さんだったみたいで」
「……お前の婚約者とかいう男か」
「そうなんです。
たぶん、私のことを誰かに調べさせたんだとは思うんですが。
みんな、和博さんに騒ぎを起こされても困るので、適当に伝えて、はいはい、って流してるみたいで、かえって、ややこしい感じに」
どんだけ周りに信用されてないんだ、その男……と渚は呟いていた。