派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~
「いや、渚さんとは対極に居る人ですよ。

 でも、あれで結構情に厚くて、涙もろいところもあるので、一部支持している人たちも居るみたいで。

 私との問題でややこしいことにならないよう、周りが気を配ってくれるみたいなんですが、本人まるでわかってないらしくて」

 今日、ついに乗り込んできたんです、と告げる。

「最近、実家の行事のときとかにも会わないようにしてたからかも」
と呟いた。

「それで、なにか渚さんに、これから面倒かけるかもと思って」

 そう言うと、渚は溜息をつき、
「お前も別にその従兄弟のことが嫌いなわけじゃないんだな」
と言ってくる。

「え?」

「切り捨てたり、爺さんに言いつけようって感じじゃないから」

「んー、まあ、そうなんですよ。

 言ったじゃないですか。
 莫迦な兄みたいなものだって。

 だから、なんとか穏便に騒ぎを収めたいんですけど」

 でも、困ったことに、と蓮は眉をひそめる。

「どうも、脇田さんを私の彼氏だと思ってるみたいで」
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