グリーン・デイ





 真っ暗な場所で一人、僕は息をすることが出来ずもがいていた。ここは____水の中だ。手足をどんなに早く動かしても、水面から上がることが出来ない。光もない。真っ暗な水の底。僕はもがいていた。



 なぜこうなったのだろうか。僕が一体何をしたというのだろうか。制服を着たまま担がれ、水の中へドボン。服が重い。僕は泳げなかった。微かに笑い声が聞こえてくる。嘲笑に近い、声変わりの途中の、不揃いな悪意のある笑い声。



「ちょっと音楽ができるくらいで、チョーシ乗んなや。」



「マジ生意気なんよ。目障り。」



「死ねば?」



「死ねばええのに。」



「死んでまえ!」



 声があちらこちらから聴こえてくる。心に矢のように刺さってきて、痛い。強いメッセージ性のある矢が刺さって抜けない。



 いつの間にか僕は手足を動かすことをやめていた。すると、重い僕の身体は重力に委ねるまま、水の奥底に沈んでいく。



 ゆっくり、ゆっくりと。これが死への入り口なのか、なんて寂しい。でも、僕が存在する場所は、この世界にはないんだ。



 致し方ないのである。




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