心に届く歌
男は明るい茶色い髪をふわふわと遊ばせ、まだ学生というイメージを抱く。
女は巻かれた赤い髪を腰の上辺りまで伸ばし、化粧をしっかりしているみたいだった。
「……って、え?」
この女の人、どこかで見たことがある。
一体どこで?
どこで見た?
「こちら、エル・ソレイユ様の第1執事見習いのシエル・セレーネくん。
少し引っ込み思案で人見知りな子だけど、とても優しい子だよ」
「…初めまして、シエル・セレーネです。よろしくお願いします」
頭を下げ、思い出す。
一体この女の人は誰だったのか。
「初めましてシエル先輩。
今日からメイドとしてお世話になります、ソンジュです」
「執事としてお世話になります、ベレイです。
よろしくお願いします」
……やっぱり、ソンジュさんだ。
どうしてここに…。