心に届く歌
「シエル先輩。アタシのこと覚えていますか?」
「……」
「覚えて、いますよねェ?」
ドンッと肩を押される。
僕と彼女はあんまり身長が変わらないため、僕は開けっ放しだった玄関に倒れこんだ。
体調が朝から優れない僕だから、耐えることなど出来なかった。
「へぇー広い部屋。
2階に住んでいる人は違うねェ」
部屋に土足で入り込むソンジュさんとベレイくん。
僕は起き上がりながら聞いた。
「2階に住んでいると、違うんですか…」
「違うに決まっているわよー!
あんた世間知らずなところは変わらないよねーっ」
僕を馬鹿にし、楽しそうに微笑むソンジュさんとベレイくん。
ベレイくんとは初対面だけど、ソンジュさんが僕を馬鹿にするのは変わらない。