心に届く歌
「……何するんだ貧乏人っ!!」
「プーセ!!」
「おいプーセ何をしている!!」
プーセは突然怒鳴り、シエルの頬を思い切り殴りつける。
床に倒れこんだシエルに、わたしとアンスは駆け寄った。
「シエル大丈夫!?」
「シエル!」
「エル様…アンス、大丈夫です。慣れてますから」
唇が切れたらしく、血が滴る。
わたしはシエルを横から抱きしめた。
「村の貧乏人が、勝手に出しゃばるんじゃねぇよ!!」
シエルを睨み付けたプーセは、ジャケットの内ポケットから白い箱を取り出す。
それと一緒に紫色の細長いモノも取り出し、カチッと火をつけた。
煙草と、ライターだ。
ボッと音がしてついた火を、プーセは煙草につけ、ふーっと煙を吐いた。
マズい、と思った時には遅かった。
「てめぇこそふざけるんじゃねぇよ!!」