心に届く歌
「あっ……うっ……ごめんなさいっ…」
驚いたわたしに気がついた彼は、小さく謝る。
先ほどの大声が嘘だったかのように、か細く。
「ごめんなさいっ…ごめんなさいごめんなさっ、ごめんなさい…」
堰を切ったかのように、涙を止めどもなく溢れさせた彼は、
機械のように謝り出した。
「あのっ…そんなに謝らないで……?」
「ごめんなさい…ごめんなさい…っ」
「わたしだって悪かったんだしさ…いきなり触ろうとして。
だから…ね?謝らないで良いんだよ」
「ごめんなさいっ…ごめんなさい…ごめんなさっ、ごめんなさぃっ」
「……ちょっとっ……」
壊れたように謝る彼。
「ごめんなさいっ…何でもしますからっ…ごめんなさいっ……!」
「……何でもするの?」
「するする……するからっ……許しっ…やぁっ……」
ぼろぼろと涙を流し、全て布団に吸い込まれて行く。
わたしは現実ではないどこかを見て謝る彼に近づいた。