心に届く歌
3本点滴をするシエルは、まだ熱が下がらず辛そうにしている。
お風呂はまだ駄目そうかな。
わたしはベッドの傍…違う、シエルの傍で本を読んでいたけど、立ち上がった。
「シエル。
わたしお風呂に行ってくるから、ゆっくり休んでいてね」
「僕は……」
「あなたはまだ熱があるから駄目だよ。
この部屋から出ないで、大人しく休んでいてね」
シエルは頷かなかったけど、わたしはクローゼットから寝間着を取り出し、部屋を出た。
そしてお風呂場へ続く廊下を歩いていると。
「お嬢様。少々よろしゅうございますか」
待っていたかのようにメイド長がわたしの前に現れる。
わたしは頷いて、メイド長について行った。