地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
「俺は玲美ちゃんと入りたかったのに、陽平は大人気ないな」
「なっ……」
今時の子供はこんな言葉まで知ってるのか?
「いいから服を脱げ」
諦めたのか啓太は服を脱いだ。
俺達は二人でお風呂に入り、男同士の話をしようと啓太に聞いてみた。
「なぁ啓太、週末はよく泊まりにきてるけど、嫌な事でもあるのか?」
俺は確かに啓太に嫉妬はしたけど、毎週くるのは何か家で嫌な事があったのかな?とも思っていた。
「別に……ただママが、僕が居ると泣きそうな顔をしたり、トイレに走ったりして苦しそうにしてるから」
「ママが?パパと喧嘩でもしたのか?」
「してないよ、でも優しかったママが、キツそうにしてるし、僕が遊ぼうと言ってもママは体調が悪いからゴメンねって言うんだ。だからママは僕の事が嫌いになっちゃったのかな?」
啓太は今にも泣き出しそうな顔をしながら俺に言った。
幼いながらに悩んでたんだな。
それにさっき玲美が姉貴も色々と大変だとか言ってたし何か知ってるかもしれないな。
「啓太、心配しなくてもママが啓太を嫌いになるわけないだろ?もしかしたらママはお仕事で疲れてるだけかもしれないし、啓太は心配するな」
「本当に本当?」
「ああ、啓太が悲しそうな顔をしてたらママも悲しむぞ?じゃあ体を洗って頭を洗ってもう一回、湯船に使ったら十数えて上がるか」
「うんっ!」
啓太が寝た後でも玲美に聞いてみるか。
俺達が風呂から上がると着替えが用意されていて、二人で体を拭いてパジャマに着替えるとドライヤーで髪の毛を乾かして二人でリビングに行った。
「啓太くん喉渇いたでしょ?ジュースをコップに入れてるから飲んでいいよ。陽にはテーブルに夕食とビール準備してるから座って食べてね?私は今から今からお風呂に入るから」
「はーい」
「おう、サンキュ」
俺達は返事をして玲美は風呂に入った。
ビールを飲みながら夕食を食べた後は、啓太といっぱい遊び、夜の九時になったら歯磨きをさせた。
そのまま俺が寝かせようとしたら啓太は断って、玲美の手を引っ張り二階に消えていった……。