地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜



家に車を置いて、私は家に入り着替えた。


笹山くんは車で待ってると言ったから、シャワーは浴びなかったけど、着替えが終わるとメイク直しをして、また私は家を出た。


「お待たせ……」


そう言って笹山くんの車に乗った。


「そのワンピース可愛いじゃん?俺の為に選んでくれたんだ?」


「なっ、そんなんじゃないわよ!たまたま手に取ったのがこのワンピースだったの」


「剥きになればなるほど、俺の為って言ってるみたいなもんだよ?」


本当ムカツク!!
出掛けるって言ったから、最近買ったお気に入りのワンピース着ただけだし。
べ、別にあんたの為じゃないんだから。


そう心で言って口に出しては言わなかった。


「それより何処行くの?」


「ん?色々な所だよ。デートしようと思ってね」


「デート……?」


私は大学を卒業して、山岡主任と不倫の関係になるまで彼氏は居なかったしデートなんてした事がなかった。


山岡主任とは二人で出掛ける事はなかったし、ホテルか私の家に来るかだったから、二人で出掛ける事もなかった。


この年齢で、一回もデートしたことなかったから憧れる事もあった。


手を繋いで堂々と歩くカップルを見る度に、私は自分で選んだ道だからと言い聞かせた。


嬉しいような、複雑な気持ちでいた私に彼は言った。


「意地張って山岡主任が初めてじゃないとか言ってたけど、本当は初めてで、デートすらしたことないんだろ?初めての男が山岡主任なのはムカツクけど、初デートの相手は俺な?そして俺の事が気になるくらい好きになれよ」


やっぱり彼に嘘は通じなかったんだ。


でも彼はイケメンなのに、どうして私なんだろ?


やっぱり信じられない。




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