☆お見舞いに来てください☆

「せ、先生は友達です」

「ふーん…」


もう一度念押しするようにそう言うと、秀先生の纏う空気が少し変わったような気がした。
今までの穏やかな空気とは違い、ピリリとしたトゲのある眼差しが私を揺れ動かす。



「未来ちゃんって、意外と……だね。俺は……」


最後の方は声が小さくてちゃんと聞こえなかったけれど、腕を捕まれた瞬間勢いよく抱き寄せられた。

そのせいで体を隠してたシーツは剥がれ、ダイレクトに肌と肌が密着してしまう。


「まぁ、そうだね。未来ちゃんの気持ちはわかる。けど俺は後悔してないよ。むしろ未来ちゃんを抱けて嬉しかった」


耳元に甘く掠れた先生の声が響く。

どういう意味合いで言ってるのかは分からないけど。

これはまずい。

そう思うのに彼の力が強くてびくともしない。


「ほら、今だって未来ちゃんに触れただけでこんなに熱くなってる。それに未来ちゃんだって…」

「……あっ、やっ」


つーっと背中を撫でられてたまらず声を上げた。

しなるように背筋を伸ばし、目の前の肩を両手で掴む。

それを見た先生が満足そうに笑って、今度は滑らせるようにその手を胸の上に。

そっと円を描くように手のひら全体で馴染ませられると、背中にビリビリと電気が走ったような衝撃が。
< 122 / 446 >

この作品をシェア

pagetop