☆お見舞いに来てください☆
はぁ…
病室に弱々しい嘆きが広がった。
三島先生は何も言わずフェイスタオルで顔を覆い、そして涙混じりに深いため息を落とす。
「……まさか、秀にここまで怒られる日がくるなんて思わなかった」
そう言って顔は上げないまま虚ろな声を溢す。
あんなに凛としていた綺麗な肩が今じゃしゅんと頼りなく縮こまっている。
「秀に説教されるなんてね。優しいだけが取り柄だったくせに……」
「俺だって大事に守ってるものを傷付けられたら怒りますよ。黙っていれるわけがない」
「……ふっ、そんなに大事なんだ」
「愚問です」
私は顔を赤くした。
抱き寄せる先生の力が強くなり、さらりと言いきった告白に痛み続けてた胸の感覚がすぅっと落ち着いてくるのが分かる。
「彼女をこれ以上困らせたら許さない」
先生……
胸の中が温かい感情に変えられていく。
思わず先生の背中に手を回し、スーツの上からぎゅっと握りしめる。
「貴方はいつもそうだ。自分の思いばかりで突っ走る。こんな時こそ本当に大事に思ってくれている人を蔑ろにしちゃダメだ。相手の意見や思いにもちゃんともっと耳を傾けるべきです」
「………そう、ね」
とても切ない言い方だったけど、諦めたように先生は頷いた。
「分かったわ」と言い残し先生は涙を止め、視線をゆっくりこちらに上げる。