☆お見舞いに来てください☆
ドキン…
胸が一気に高鳴る。まるで緊張の糸がピンと張りつめるかのように大きく心臓が波打っていく。
「今ちょっと話せますか?」
「………」
璃子は不覚にも言葉が出なかった。
目の前に水嶋がいる。それも今まで見たこのないほどのカッコいい彼が。
清潔にセットされた髪型に服装。まるで本当の御曹子、いやそれは誰もがうっとりするほどの紳士がそこにいるのだ。
「やっぱり…、ビックリしましたよね?」
「……」
コクリ…
璃子は言葉の代わりになんとか頷いて返事をした。
緊張で顔まで強張ってしまう。
なんとも気まずい。ぎこちない緊張感が二人を包み込む。
「ずっと黙っててすみません。本当はいつ本当のことを言おうかずっと迷ってたんですけど…、なかなか言えなくて…」
「け、警備員は嘘だったんですか?」
「いえ違います。あれは本当。実際に働いてましたよ。あなたも知ってるでしょ?正直副社長になる前にこの会社の現状をちゃんと把握したかったのが正直な思いというか」
「……げん、じょう?」
「情けない話し、僕はこの会社の現状をあまり把握できてなかったので。ここ何年か売り上げもあまりよくなくて伸び悩んでたようです」
「……それで、なぜ警備員を?」
「うちの母方の祖父が警備の会社を経営してるんです。だから事情を話して無理言って期間限定で雇ってもらってたんです」