☆お見舞いに来てください☆
「まさかと思うが、何も覚えてないのか?」
「何を…ですか?」
「もちろんこの鍵だよ。この意味ちゃんと分かっているんだろうな?」
そう言われ、私は首を傾けた。
「それは…あの、主任が勝手に不法侵入のするために用意したものなんじゃ…」
「マジかよ」
「えっ?」
「ひとつ聞く、今現在佐野の目に俺はどんな風に映ってる?」
「…それはまぁ、部下の家に勝手に上がり込む犯罪まがいの上司かと」
「……」
それを聞いた瞬間主任の顔がみるみるうちに青ざめ、そして険しく歪みだした。
それは見たこともないような恐ろしい顔で睨み付ける。
「マジかよ…」
「えっ?」
「佐野、お前いい度胸してるじゃねーか」
そう言って一筋ピキリとこめかみ辺りの血管が浮き出たようだった。
「言っとくが俺は何も犯罪まがいのことはしてない。むしろお前に脅されて此処に来たんだ。この鍵だって昨日佐野が今日此処に来いと俺に命令し、渡したんだよ」
「……は?」
んなバカな…
どうして私が?
そんな失礼なことはしないと思うけど…