勘違いという恋の駆け引き



『ねぇ、お母さん?あの紙に何が書いてあったの?』


キッチンで洗い物をしている母の横で
吹き上げをしている私

リビングでは
男三人がガハハと笑いながら酒盛り中だ


あのあと、
初めてじゃないかな?
父が頭を下げたのを見たのは


「まだまだ子供ですが…藍のことを、よろしくお願いいたします」


涙目の父は誤魔化すように
母に酒だの飯だのと催促をし
優と絢斗に飲め飲めと、
日本酒を煽り、今に至るわけだ



「んー?優くんと絢斗くんの本気よ。まぁ、全力で藍を守るって誓いよ」


具体的に教えてはくれなかったが
それほど大事にされているのかと思ったら、これ以上詮索するのをやめた


結局、男三人はお風呂にも
布団にも入らず、飲むだけ飲んで
倒れるように眠ってしまった


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