ノラネコだって、夢くらいみる
 未だにモモと一緒に遊んだ時にお土産に買ったクッキーの缶は家のリビングに飾られてあって、それを見ると、モモと過ごした日々のことを昨日のように思い出す。

 忘れようと思ったところで、実際そう簡単に忘れられるものじゃない。

 常々思うのだけれど、人間の脳ってものは、いい記憶より忘れたいような記憶の方が鮮明に残るように出来てるんじゃないの?ってくらいハッキリと覚えている。

 遊園地のローラーコースターが思っていたよりワクワクしたとか。モモと過ごす昼休みが楽しかったなとか。

 忘れたい記憶だけ、綺麗さっぱり脳味噌から取り除けたら、どんなにラクだろう。

 それでも前に進みたい、進まなきゃと思えたのはやっぱり、仕事を続けたいという強い意志を持っていたから。周囲の支えがあったから。そして何より___

 『俺は、お前の味方だ』

 逢阪のあの台詞が、私の希望だったから。

 それから『RIN』そして『いちりん』の仕事が更に増えたため、こういった一連の流れについて『話題づくりのために関係者が仕組んだのでは?』という声があがる始末。
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