ノラネコだって、夢くらいみる
 その冬、ある屋内型テーマパークの宣伝ポスターに『いちりん』が起用された。

 そこは幼稚園くらいの小さい子から大人まで、幅広い世代に大人気のキャラをモチーフにしたアトラクションがある場所。

 その影響で、これまで私のことを知らなかった小さい子からおじいちゃんおばあちゃん世代までの老若男女から『りんりん』と呼ばれるようになった。

 ちなみにいちるは、『いちるん』と呼ばれているようだ。

 しかしいちる、ファンシーなキャラクターグッズを抱えても違和感がないんだもんな。

 女の子顔負けの綺麗な顔。おとぎ話の王子様にもお姫様にもなれちゃういちる。

 Twitterの更新が2.3日止まっていた時なんかに

 【雲の上でちょっとお昼寝してきた】

 なんて一言でファンから許され、温かく迎え入れられてしまう………。

「いいな、いちる王子は」

 いちるの家のリビングでくつろぐ私が、ぽつりと呟く。

 今日は、一緒に携帯ゲーム機のゲームをやっていた。基本的に1人でプレイできるのだけれど、それぞれが育てたモンスターを勝負させるのは白熱する。

 バージョン違いでしか入に入らないモンスターを交換することで、モンスターの図鑑をコンプさせることができるのも嬉しい。

「王子?」

「うん。キャラが確立してていいよね。それも強烈な」

「……こっちの台詞だよ」

「え?」

「僕は、作らなきゃ何もないから」
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