アナタの過ち



駐車場に着いてメールを送る。

『090XXXXXXXXに電話して』

そうメールを打ち、ポケットに入れる瞬間携帯が震えた。

早すぎるだろ…。

『もしもし』

「あの…犬です…」

『どこにいんの?』

「あっ…一番奥の端の方にあるステップワゴンの隣です。白いワゴンRで来ました」

返事もせずに電話を切って、その場所を目指した。

ステップワゴン…ステップワゴン…。

あぁ、あった。

ステップワゴンに隠れて、ワゴンR全く見えてないけど。

ドアを開け助手席に乗り込み、思いっきり閉めた。

『タバコ、吸っていい?』

「あっ…どうぞ!」

ガタガタと灰皿を開ける男。

いや…犬?

その行動を横目に、私は火を付けようとライターを探す。

「自分付けます!」

男はそう言いながら自分のポケットからライターを取り出した。


『これぐらい自分で付けるから』

やっと見つけたライターでタバコに火をつける。

「すいません…」


それから私が煙草を吸ってる間、2人共無言だった。



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