モテ子☆モテ男の恋愛事情。
大したことないと言えば。
櫻井は『何だそれ』と鼻で笑うだけで、それ以上は追求してくることはなかった。
「櫻井もバスケしてくれば?」
いつの間にか再開していたバスケに。
ゆずと一緒にいた優男も、彼女を置いてコートに戻っていく。
笑顔で手を振って。
こっちに視線を向けたかと思えば、櫻井にも声をかけていった。
「翔もやる?」
「んー、いいや。部活で疲れてるし」
「そ、まあ、気が向いたら来れば? 好きなときに好きなように参加するのが、俺たちのルールだから」
じゃあ行ってくる、と手を上げて走っていく櫻井は。
途中、神崎ゆずに何か耳打ちしてニカッと笑っていた。
でも反対に、彼女は少し困ったような顔をして、櫻井に何かを言い返してした。
俺はと言うと。
その場に立ったまま視線だけで、その場の状況を探ろうとしていた。
さて、どうするか。
このまま帰るか。
ここでバスケを見ていくか。
それとも……
とりあえず近くにあったベンチに座ると。
急に脱力して、ドッと疲れが押し寄せてきた。
そりゃそうだ。
部活を全力でやってきた後、ここまでチャリをぶっ飛ばしてきたんだから。