モテ子☆モテ男の恋愛事情。
周囲から聞こえた悲鳴のような声にビクッと強張らせた身体は。
爽やかな香りと心地良い温もりに包まれている。
「あ、ぶねぇ…」
少し篭ったように聞こえた声は、あたしの耳にダイレクトに届いて。
そのとき初めて、自分が誰かに抱き寄せられているのだと気がついた。
「大丈夫?」
…この感じ、知ってる。
この声も、この香りも、この感触も。
デジャブ。
まだ、今の状況がよくわからなくて、ただ呆然とするあたしを。
覗き込むように顔を近づけてくる気配を感じてハッとする。
真っ暗だった視界は、いつの間にか明るさを取り戻して。
目の前には誰かのTシャツ。
フワッと香る、爽やかな香水の匂いの中に感じるかすかな汗の匂い。
でも、それは全然不快なんかじゃなくて。
ゆっくりと視線を上げれば。
そこには、昨日と同じようにあたしを見下ろすキレイに整った顔。
「大丈夫?」
「えっ…?」
状況がまだ上手く飲み込めなくて。
キョトンとしたままそのキレイな顔を見つめ返す。
昨日と同じ。
だけど、ちょっと違うのは。
あたしの背中にはしっかりと腕が回されていて、抱きしめられているってこと。
二人の距離が、昨日よりずっと近いってこと。