モテ子☆モテ男の恋愛事情。
要するに。
あたしは、隼人たちが気になってしまって泰くんがだしたパスに気がつかなかったのだ。
泰くんは、まさかあたしが余所見をしているとは思っていなくて。
だけど、あたしの神経はすぐ近くまで迫っている気配に向いてしまっていて。
泰くんの出したパスに反応できなかったのだ。
ボールを弾いたのは隼人だった。
あたしを引き寄せたのは速水翔だった。
だから、あたしは速水翔に抱きしめられたような格好になっていたのだ。
「…で、いつまで抱き合ってんの?」
「え、あ…ご、ごめん」
今度はニヤッと、片方の口角を上げて嫌らしく笑う隼人の言葉に。
慌てて速水君から距離をとるように後ずさる。
緩んだ腕からは、すぐに解放されて。
あたしは、速水くんから逃げるように隼人の腕にしがみついて。
恥ずかしさで熱くなった顔をかくすように、隼人の背中のほうへと顔を伏せた。
真っ赤になってるであろう顔を見られたくなくて。
隼人の腕にしがみつく力がさらに強くなる。
あたしのそんな反応が、隼人には面白かったのだろう。
あたしには見えないけれど。
きっと悪戯っ子な笑みを零し。
ワシャワシャと、少し乱暴にあたしの髪を撫で回す。
「おまえ可愛いなあ」
なんて、馬鹿にしたような言葉と一緒に。