モテ子☆モテ男の恋愛事情。
「いっ…てえな!」
「ばーか」
あっかんべーをしながら、今度は泰くんの後ろに隠れて彼を楯にする。
泰くんの顔には『俺を巻き込むな』って書いてあったけど、見てみぬフリして。
大袈裟に痛がってるけど、本当はたいしたことないのわかってる。
「ゆず、てめぇ!」
「うるさい、バカ隼人!」
大男がどんなに凄んだところで。
あたしには、痛くも痒くもないんだから。
「やっぱ、おまえ可愛くねぇ」
「ふん、別に隼人に可愛いなんて思われたくないもん!」
隼人の言う『可愛い』は、あたしのことを子ども扱いしての言葉なのだ。
だから、いくら『可愛い』って言われたって馬鹿にされてるようにしか思えない。
泰くんを楯にしたまま、未だに言い合いをするあたしたちを。
速水翔は、ぽかんとしたまま傍観していた。
「…仲が良いんだね」
その声に、ハッとして振り返ると。
ニコリ、とキレイすぎる笑顔をベッタリと貼り付けた速水くんと目が合って。
その瞬間、なぜかゾクリと寒気が走る。
「櫻井と神崎さんがそんなに仲が良かったなんて知らなかった」