モテ子☆モテ男の恋愛事情。
その笑顔のまま、まるでセリフのように言葉を並べていく。
「…翔?」
いつもとは違う彼に気づいたのは、学校でいつも一緒にいる隼人で。
速水翔のその不自然な笑顔に、困惑する隼人が目に入った。
目が、笑ってないんだもん。
どんなに素敵な笑顔を作っても。
その瞳だけが、どこか陰をさしているように見えて。
途端に不穏な空気に包まれる。
「…どうした?」
「ん、何が?」
そう思ったのも一瞬だけで。
次の瞬間には、その瞳の中の陰がどこかに消えていた。
普段の速水くんを知っているわけじゃないけれど。
隼人の少し強張っていた顔がふと緩んだその横顔を見て。
これがいつもの速水くんなのだろうと勝手に解釈して同じようにホッとしてる自分がいた。
「あれって……」
隼人と速水くんが何か話している光景を見つめていると。
同じようにそれを見ていた泰くんがチラッとあたしに視線を向けながら呟いた。
「泰くん知ってるの?」
「知ってるも何も、東中の速水翔って言ったら有名だよ」
「へえ…そうなんだ」
「バスケやってたヤツなら、知ってるんじゃない?」
「あたし、知らなかったよ」
「ゆずはそういうのあまり興味ないもんな。でも、東がバスケ強かったってことくらいは知ってるだろ?」
「うん、県のトップ3。あ、そういえば、高校入ったとき隼人が興奮してたかも」