モテ子☆モテ男の恋愛事情。
-Side 翔-
ビックリした。
まさか、こんなところで神崎ゆずに会うなんて思っても見なかった。
櫻井と話していても、内容なんて全然入ってこないし。
意識は完全に、違う方へと向いてしまっている。
まさか、櫻井と彼女が知り合いだなんて本当に驚いた。
櫻井の話では、彼女もこの公園で一緒にバスケをしているのだとか。
男子に混じってバスケをする姿は、学校での彼女からは想像できないだろう。
櫻井と神崎ゆずが学校で話をしている姿なんて、見たこともなかったし。
まして、こんなにも仲が良かったなんて。
予想外。
……なんだかな。
ここに来るまでの勢いなんて、とうに消えうせて。
気を抜いたら、このまま脱力してしまいそうなほどだった。
公園の中に入っていけば。
櫻井が言っていた通り、男子の中に見える制服姿の神崎ゆず。
楽しそうにボールを追いかけて。
小柄な優しそうな男からパスを受け取った彼女は、流れるようなフォームでシュートを決めていた。
「へえ…っ」
「意外と上手いだろ?」
自慢げにそう話す櫻井の顔が嬉しそうで、なんだか胸がチクッと痛んだ。
自分のことのように得意げで、自分のモノのように見せびらかしたいって。
“あれ、俺の”とでも言いたそうに見えてしまうんだ。