Another moonlight
銀行で用を済ませてから向かうから、そこのカフェで待っててとマナブに言われ、ユキはマナブより一足先にカフェに向かった。

少しの間メニューを見ながら待っていると、ほどなくしてマナブがやって来た。

「お待たせー。なんでもおごるから好きなもん頼みな。」

「太っ腹ー!マナ、どうしたの?最近やけに気前良くない?この間はフルーツサービスしてくれたし。」

「ん?ああ、あれね。ライバルがどんな男か気になって、ちょっと偵察に。」

「ライバル?偵察とかワケわかんないんだけど。」

「で、何頼む?」

マナブはホットコーヒー、ユキはパンケーキとコーヒーのセットを注文した。

二人とも運ばれてきたホットコーヒーを一口飲んで、タバコに火をつけた。

「最近の店はどこ行っても禁煙とか多いだろ?ここは終日全席喫煙OKだから貴重なんだ。」

「へぇ、珍しい。確かに禁煙の店が増えたね。タバコと酒で高額納税してるのに、ホント肩身せまい。」

「言えてるな。」

タバコを吸いながらコーヒーを飲んで、他愛ない話をした。

しばらくするとユキの注文したパンケーキが運ばれてきた。

パンケーキはホカホカと湯気をあげ、甘い香りを漂わせている。

「マナ、少し食べる?」

「いや、オレはいいよ。遠慮なく食べな。」

「いただきます!」

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