Another moonlight
「はぁ?愛しそうってなんだよ?!恥ずかしいこと言うな。」

「そう言われてもな。こいつこの子のことが好きなんだなとか、この子はこいつ以外にも男がいるなとか、職業柄なんとなくわかるよ。アキはなんも言わなくても、ユキちゃんが好きって気持ちがダダ漏れだ。」

「…勝手に人の心の中を覗くなよ。」

ずっと隠してきたつもりなのに、マナブからそんなふうに見られていたのかと思うと無性に恥ずかしい。

アキラは照れ隠しに水割りを煽る。

「なぁ…。ハルって確か、リュウの姪っ子だよな?めっちゃ可愛がってただろ?毎日プロポーズされてるって、昔よく聞いたけど…リュウ、ハルと結婚すんのか?」

マナブの口から急にハルの名前が出たことにアキラは少し驚いた。

「らしいな。オレも詳しいことはよく知らねぇけど…リュウ、めっちゃ幸せそうだった。」

「ふーん…あのリュウがねぇ…。」

意外そうではあるけれど、マナブはなんとなく納得したような顔をしている。

「それがどうかしたのか?」

アキラがタバコを吸いながら尋ねると、マナブは少し顔をしかめた。

「いや…夕べ、アキが電話に出るって席外したじゃん。あの時な…ユキちゃんがリュウにやけに食い下がってさ。」

「リュウに?」

「芸能人のリュウなら周りにいい女がいっぱいいるはずなのに、なんでよりによってハルなんだってユキちゃんが聞いたら、ずっと好きだって言い続けてきたハルの気持ちを受け止めてやろうと思ったってリュウが答えてさ…。そしたらユキちゃんが、それだけか、って。」

「そんなこと言ってたのか…。」


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