オオカミ御曹司に捕獲されました
クスッと笑って見せるが、まだおばあさんの目は俺を警戒している。

「そうですか。杉本という名字……梨花の会社の杉本商事とお名前が一緒ですが………」

「ええ。父が経営している会社です」

俺は正直に答えた。

「言いにくいお話ですが、私の娘は未婚で梨花を出産し、梨花には戸籍上父親がおりません。杉本さんのような方とお付き合いするには世間体が悪いかと……」

梨花のおばあさんが言葉を濁す。

「梨花の父親の事は知っています。でも、僕にも僕の家族にとってもその事は重要ではありません。大事なのは梨花さんですから」

「……梨花からその話を聞いたのですか?」

おばあさんが意外だと言うような顔をする。

「ええ。その話をした時は少し寂しそうな顔をしてました」
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