オオカミ御曹司に捕獲されました
「……いいえ。どうしてですか?」

否定しているが、知ってるって顔だな。

人には話せないって事だろうか?

「いえ、何でもありません。気にしないで下さい。梨花さんの話に戻りますが、僕は本気です。何事にも一生懸命な彼女の姿に引かれたんだと思います。梨花さんは仕事も頑張ってくれてて、いつも俺を助けてくれるんです」

俺が梨花の会社での仕事ぶりや屋上でのランチの話をすると、おばあさんは興味深げに耳を傾けていた。

「そうですか」

多分、梨花は仕事の話はおばあさんにあまりしないのだろう。

孫娘の日常を知って、おばあさんは少し安堵していた。

「優しい梨花さんの側にいると、自分も心穏やかになって温かな気持ちになるんです。あんな優しい子に育ててくれてありがとうございます」
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